相続手続

相続手続き準備と遺産分割協議

亡くなった方の葬儀が終わると、相続財産について、相続人が相続手続きを開始しなければなりません。
相続財産については、亡くなった被相続人の相続人たちが集まり、話し合いで遺産分割の協議をします。
まずは、相続財産を調査するよりも前に、相続人であることの証明をするために、被相続人の戸籍謄本を集め、相続人関係図を作る必要があります。
戸籍謄本は、被相続人の死亡時の戸籍謄本を各市区町村役場に申請しますが、死亡時の戸籍謄本から順番に生まれた戸籍謄本までをさかのぼっていくため、遠方の各市町村役場に戸籍謄本の申請をする場合もあります。
その他、相続人の戸籍謄本も取得する必要があり、戸籍謄本の数もそれだけ多くなり、膨大な枚数になります。
相続人が全員特定された後に、相続人が遺産分割協議をしますが、もし被相続人の遺言書がある場合は、遺言書の内容に従って相続の名義変更をします。
この場合、手書きの自筆証書の遺言書のときは裁判所で確認のための検認手続きをしてから相続手続に入りますが、公正証書の遺言の場合はそのまま相続手続を行うことができます。
遺産分割協議をするときは、相続財産があるのかないのか、調査をしなければなりません。
相続財産は預金や不動産だけでなく、借り入れも含まれますので、借り入れが莫大な場合は、相続放棄手続きを3か月以内にする相続人が多いです。
相続財産が明らかになった後は、相続人たちが集まり、話し合いの結果を、遺産分割協議書という書類を作って保管し、遺産分割協議書を使って相続の名義変更を行っていきます。

相続手続きの申請

相続について、遺産分割協議の書類が揃ったら、相続人が取得する内容に応じて、名義変更や登記によって相続人に相続財産を移す必要があります。
不動産の相続登記は、相続人自身で行うことも出来ますが、法務局に申請書類を用意して間違いが無いように提出する必要があります。
また相続登記が終わった後は、不動産の権利証が発行されることから、自分で申請に行かないときは、司法書士のような国家資格のある専門家に任せることになります。
不動産の権利証はとても重要な書類で、相続人の名前で発行された後は、金庫に保管しておきます。
もちろん、遺産分割協議がまとまっていないうちは、不動産を誰が引き受けるかわからないので、相続登記はできません。
相続登記については、いつまでに名義変更するか法律で決まりがありませんが、空き家が火事になったときなどの責任を相続人全員に問われますので、すみやかに相続登記をしたほうがよいでしょう。
預金は、銀行に相続手続き依頼書を提出して、被相続人の銀行口座の解約手続きを行います。
解約手続きをすると、誰が相続財産の銀行残高を受け取るかを確認されるため、遺産分割協議で決めた内容を伝えて、相続口座の払出し手続きをします。
取引銀行の数に従い、相続解約手続きをする数も増え、相続書類もそれぞれ必要になってきますので、根気のいる手続きになります。
被相続人が株券をもっていたときは、株券も相続財産となりますので、証券会社に相続手続き依頼書を提出して、株券の名義変更を手続きを行います。
株券は遺産分割協議の際に、売却して売れた代金を相続することもできます。
株券についても、遺産分割協議が終わらないうちは、相続人の誰かが一人で売却することはできないので、必ず遺産分割協議で、どの株券を何株相続するかを決めなければなりません。
証券会社の相続の株券名義変更は、被相続人が使っていた証券会社に、相続人が証券口座を開設して相続内容に合わせて株式を移管したうえで、名義変更や売却をすることになります。